FC2ブログ

記事一覧

ティべリウス帝の付加刻印が打たれたアウグストゥス帝時代の銅貨

本日ご紹介するアウグストゥス帝時代にルグドゥヌム(現フランス・リヨン)で発行された銅貨には、TIBの文字の付加刻印が入っています。 付加刻印とは、コインが発行され年月が過ぎてから、マークや数字、文字などをコインに新たに刻印することです。 コインに付加刻印がされた理由としては、 貨幣を新たな場所で流通させる際に貨幣の再承認するため、 摩耗しすぎた貨幣の流通停止を防ぐため、 貨幣が新たな統治者によって許可された...

続きを読む

古代オリンピック開催地オリンピア発行のヘラが刻まれた銀貨

本日は当ギャラリーで現在開催中の企画展「古代オリンピックが刻まれた古代コイン展」(2016年8月31日まで)の中からの一枚をご紹介。 この小さなオボル銀貨は古代オリンピック開催地エリス地方オリンピアで前5世紀に発行されたものです。 オモテ面にはゼウスの妻で、女神の最高神ヘラが刻まれています。 このコインの面白いところはヘラの肖像の頭にHPA(ギリシャ語でヘラの意)という文字が入っていることです。 古代ギリシャコイン...

続きを読む

古代コインに刻まれたペンタグラム(五芒星)が意味するものとは?

この前4世紀にミュシア地方ピタネで発行されたブロンズ貨のウラ面にはペンタグラムが刻まれています。 ペンタグラムとは五芒星と呼ばれる五角星型を指します。 このペンタグラム、その均等な形の美しさから世界中でシンボルとして使われて来ました。 日本では五芒星は安倍晴明の紋が有名ですし、北海道の五稜郭の形にも使われています。 ペンタグラムは前3000年頃には、すでに古代エジプト人や古代メソポタミア人によって、書...

続きを読む

縁がギザギザした古代ローマコイン、デナリウス・セッラートゥス

共和政時代のローマでは、時たま、縁がギザギザしたデナリウス銀貨がつくられました。このようなデナリウス銀貨は、デナリウス・セッラートゥスと呼ばれ、コインの縁はほぼ等間隔で、割れ目が入っています。セッラートゥスはラテン語で「ギザギザした」という意です。このようなデナリウス銀貨は、たまたま打刻が失敗して、縁が裂けてしまったようにも見えますが、実はそうではないのです。なぜなら、デナリウス・セッラートゥスに...

続きを読む

古代ローマ、ユリウス・カエサルの勝利を祝う祭り 7月20日~30日に行われたルディ・ヴィクトリアエ・カエサリス

古代ローマでは、7月20~30日にルディ・ヴィクトリアエ・カエサリスLudi Victoriae Caesaris(カエサルの勝利を祝う祭り)が行われました。この祭りはユリウス・カエサルのファルサルスの戦いの勝利(前48年8月9日、カエサルがポンペイウスにテッサリアで勝利した戦い)を記念して、前46年の9月26日に初めて開かれました。翌年の前45年にはカエサルの誕生月である7月に開かれ、7月6日~13日の8日間行われたアポロン神を称える祭...

続きを読む

古代オリンピック、ラバのカートレース

本日は現在開催中の企画展「古代オリンピックが刻まれた古代コイン展」の中からの一枚をご紹介。 このシチリア島・メッサーナで前5世紀に発行されたテトラドラクマ銀貨には古代オリンピック種目であったラバのカートレースの様子が刻まれています。 古代オリンピックでは様々な馬術競技が行われましたが、御者がラバにひかせたカートに乗り速さを競う、ラバのカートレースも行われました。 高い箱状のシートに御者が膝を曲げて乗っ...

続きを読む

19世紀パリでアルフォンス・ミュシャが描いた古代ギリシャ悲劇メディア

本日7月24日はアルフォンス・ミュシャの生誕日。 ミュシャは1860年にチェコで生まれ、フランスでアール・ヌーヴォー期に活躍した画家。 アルフォンス・ミュシャの作品は当ギャラリーParisii(3階)と同建物内の1・2階のリボリ・アンティークスが専門に扱っております。 本日はミュシャが描いた作品の中でギリシャ神話を題材にしたものを取り上げ、その神話の舞台となったコリントスの古代コインをご紹介したいと思います。...

続きを読む

夏の暑さを吹き飛ばせ!?ネプトゥナリア(ネプチューンを称える祭)

古代ローマでは、夏の暑さ真っ盛りの7月23日から2日間、ネプチューン(水の神、海神)を称える祭り、ネプトゥナリアが開かれました。 祭りの期間、ローマの人々は夏の日差しを避けるために、木の枝や葉を使った小屋を建て、その中で飲んだり食べたりして楽しみました。 まるで現代のビアガーデンみたいですね。 飲んだり食べたりして夏の暑さを吹き飛ばそうとするのは、いつの時代の人々にも共通する楽しみなんですね。このコイ...

続きを読む

東京国立博物館 古代ギリシャ展

先日、東京国立博物館の特別展、古代ギリシャ展(2016年9月19日まで)に行って参りました。 彫刻や壺、装飾品など数々の貴重な品が集結した素晴らしい展示でした。 古代オリンピックの展示コーナーもあり、コインも展示されています。 展示されている古代オリンピック関連の銀貨は、古代オリンピック開催地オリンピアの貨幣でアテネ貨幣博物館の所蔵品で大変貴重なものばかりです。 このアテネ貨幣博物館所蔵コインと同じタイプのコ...

続きを読む

ヘロストラトスのアルテミス神殿放火事件

前356年7月21日にヘロストラトスという若者がエフェソスのアルテミス神殿を放火。 エフェソスのアルテミス神殿は前550年頃にリディア王クロイソスの出資で建てられた、狩猟の女神アルテミスを祀った神殿。 この神殿の美しさは特に高名で、各地からの巡礼者が後を絶たない名所でした。 そんな素晴らしい神殿にヘロストラトスは火を放ちました。 その理由は恐るべきことに、有名なエフェソスのアルテミス神殿を燃やせば、自分...

続きを読む

アレクサンダー大王死後500年後の肖像

本日7月20日はマケドニアのアレクサンダー大王こと、アレクサンドロス3世の誕生日。 前356年7月20日にマケドニア王フィリッポス2世と王妃オリュンピアスの間にマケドニア王国首都ペラで誕生。 このコインはアレクサンダー大王の死後から500年以上経ったローマ属州時代にベロエア(現ギリシャ・べリア)で発行されたブロンズ貨ですが、オモテ面には凛々しいアレクサンダー大王の肖像が刻まれています。 ローマの属州時...

続きを読む

羽をひろげたフクロウのコイン

この前3-2世紀に発行されたポントス・アミソスのドラクマ銀貨には羽をひろげた可愛らしいフクロウが刻まれています。 少しほっそりとした羽が大きな個性的なフクロウです。このコインの詳細はコチラ...

続きを読む

ネロ帝の時代のローマの大火

ネロ帝下、64年7月18日~19日にかけての夜間にローマで大火災が発生。 チルコ・マッシモ(戦車競技場)周辺の商店街から火の手があがりました。その日の夜は特に風が強く、瞬く間にローマを火の海にし、ローマの約3分の2の地域が被害にあう大惨事となったのでした。 完全に鎮火するのに6日もかかったというのですから、その火災の大きさは並大抵ではなかったのです。 ネロ帝はこの大火の罪をキリスト教に着せ、多数のキリ...

続きを読む

シチリア島のタコのコイン

このシチリア島・シラクサの銀貨には足をくねらせた可愛らしいタコが刻まれています。 シラクサのコインにはタコのデザインがよく使われました。 シチリア島は魚介が名産品でしたから、タコも名産の一つであったと思われます。このコインの詳細はコチラ...

続きを読む

古代ケルトの人面馬

古代ケルト人が発行した貨幣には人の顔のような頭をした人面馬が刻まれたものがあります。 この打ち込みが美しい銀貨はフランス・ブリュターニュ地方に居住していた古代ケルト人・ヴェネティー族が約前60-前50年に発行したものです。 ヴェネティー族はカエサルの『ガリア戦記』にも登場した強力な艦隊を保持していたアルモリカ地方(現ブリュターニュ地方)最強のケルト民族でした。 大きな鼻をした人面馬の口から曲線が伸びS字...

続きを読む

古代ボクサーの籠手カエストゥスが刻まれた極希少なコイン

このイオニアで発行されたブロンズ貨は、カエストゥスをつけた手がデザインされています。 カエストゥスは古代オリンピックなどで行われたボクシングやパンクラテオン(禁じ手のないレスリング)の選手が手に巻き付けていた皮ひもの籠手。 また皮ひもに金属の鋲を付けたカエストゥスは武器としても使われました。...

続きを読む

本日7月14日はパリ祭

本日7月14日は日本ではパリ祭と呼ばれる、フランスの革命記念日ですね。 そこで、本日は当ギャラリーの名前でもある、古代パリに住んでいたケルト人、パリシイ族のブロンズ貨をご紹介。 このエカイオスという文字が刻まれたブロンズ貨はカエサルのガリア侵略後に、パリシイ族が発行した貨幣です。 ガリア戦争後、ガリアのローマ化が始まってから発行された貨幣なので、そのデザインもローマに影響を受けた、ガロ=ロマン様式とな...

続きを読む

本日7月13日はユリウス・カエサルの誕生日

前100年、7月13日にジュリアス・シーザー(英語)ことユリウス・カエサル(ラテン語)が誕生。 ユリウス・カエサルの正式名はガイウス・ユリウス・カエサル。 古代ローマ人の名はトリア・ノミナ(三つの名前)から形成されていました。 一番最初のガイウスにあたる名はプラエノーメンと呼ばれ、現在の英語圏のファーストネームに近く、個々人を指しました。 2番目のユリウスにあたる名はノーメンと呼ばれ、その人が属する氏族にあ...

続きを読む

美しい目をしたアポロンの肖像

現在ネットショップにて開催中のLUDI APOLLINARES(アポロンを称えた祭り)の中の一枚をご紹介。 このブロンズ貨はイオニアで前4世紀に発行されました。 オモテ面に刻まれたアポロンは、生き生きとした表情をしていて非常に魅力的です。 美しい目をしたアポロンはどこを見つめているのでしょうか・・・...

続きを読む

イルカの形のコイン

7月も2週目に入り、暑さも日に日に増してきました。 本日はイルカの形のコインをご紹介。 このイルカそのものの形をした青銅は、コインの原型の一形態として、約前5-4世紀にオルビアで流通しました。 オルビアはイオニア人の都市ミレトスがつくった植民市でした。当時、繁栄していたミレトスは莫大な数の商船を抱えていたこと、また海上戦争のためには拠点が必要であったことから、植民市の建設は非常に重要でした。ミレトスが...

続きを読む

ハドリアヌス、辞世の詩

本日7月10日は古代ローマ皇帝ハドリアヌス帝の命日。 ハドリアヌスは5賢帝時代と呼ばれるローマ帝国最盛期の皇帝にして、その最期も安らかでした。 138年7月10日にバイアエ(イタリア・カンパニア)の別荘で62歳で息を引き取りました。 辞世の句として以下の詩を読んだと『ヒストリア・アウグスタ』(4世紀頃書かれたとされるローマ皇帝伝記集)に記されています。 ラテン語原文 Animula, vagula, blandula Hospes comesq...

続きを読む

貨幣改革者、東ローマ帝国皇帝アナスタシウス1世

518年7月9日、東ローマ帝国皇帝アナスタシウス1世が死去。 アナスタシウス1世は前皇帝ゼノの死後61歳で、491年に皇帝となりました。 498年、経済官僚であった経験をいかし、当時混乱していた経済を立て直すため貨幣改革を行い功績を残しました。 アナスタシウス1世新たに1ソリドゥス金貨=7200ノムス(銅の単位)というシステムを導入し、40ノムス、20ノムス、10ノムス、5ノムス等のコインを発行。 特に、4...

続きを読む

アポロンの悪行

本日は現在ネットショップにて開催中のLUDI APOLLINARES(アポロンを称えた祭り)の中から、愛嬌たっぷりのマルシュアースが刻まれたコインをご紹介。 この古代ローマ共和政期のデナリウス銀貨にはオモテ面にアポロン、ウラ面に酒に酔ったマルシュアースが刻まれています。 山野の精霊(サテュロス)であるマルシュアース。マルシュアースはアテナ神が作った笛アウロスを吹くのが大変に上手でした。 図に乗ったマルシュアースはある時...

続きを読む

七夕 MILKY WAYのギリシャ神話

本日7月7日は七夕ですね。 年に一度、彦星と織姫が「天の川」を渡って再会する日です。 この「天の川」英語ではMILKY WAYですがこの名はギリシャ神話に由来します。 ゼウスと人間アルクメナ(ミュケナイ王の娘)との浮気でヘラクレスが誕生。 ゼウスはヘラクレスに神の不死の力を与えるため、妻であり女神の最高神ヘラの乳をヘラクレスに飲ませようとしましたが、 ヘラは自分の子でないヘラクレスに乳を与えることを断固拒絶。 し...

続きを読む

アポロン神を称える祭り、ルディ・アポリナレス

古代ローマでは7月6日~13日の8日間、チルコ・マッシモでルディ・アポリナレス(Lidi apollinares)というアポロン神を称える祭りが開かれ、生贄、競技、演劇などが行われました。 ルディ・アポリナレスの起源は前212年に遡ります。 当時ローマは第2回ポエニ戦争時。 前216年のカンネーの戦いの大敗(ローマ軍がイタリア・カンネー村付近でハンニバル率いるカルタゴ軍に大敗。ローマ軍7万人が戦死したと推定されている)...

続きを読む

古代オリンピックの賞品、シュロの枝

先日ご紹介した、古代オリンピックの賞品トリポッドが刻まれたコインに続いて、 本日は古代オリンピックの賞品であったシュロの枝が刻まれたコインをご紹介。 シュロはどんな圧力にも反発すると信じられていたため、優勝者の象徴でありました。 このトラヤヌスの銅貨のウラ面にはテーブルの上にシュロの枝が入った壺とリースが置かれています。 これらは古代競技会(古代オリンピックをはじめとして古代では様々な競技会が行われて...

続きを読む

魚のような顔の古代ケルトコイン

このコインはドナウ川周辺に居住してたケルト人によって前1世紀頃発行された銀貨です。 このコインの図像はマケドニアのフィリッポス2世のコインの図像をケルト人が独自に発展させたものです。 オモテ面の肖像はまるで魚のような顔をしています。 突き出した口と、頬のラインが特徴的で面白いです。...

続きを読む

イベリアの夏の海を思わす古代ケルトコイン

7月に入って、夏の暑さも本格的になってきました。 そこで今日は夏の海を思わす、かわいいイベリアのコインをご紹介。 このコインはイベリア・サグントで前2世紀に発行されました。 オモテ面には貝、そしてウラ面にはイルカがデザインされています。 S字の形をして、口を開いたイルカがとても可愛らしいです。...

続きを読む

レスボス島のだまし絵コイン

レスボス島は女流詩人サッフォーの生地で有名なギリシャ、エーゲ海東部に位置する、ギリシャ3番目の大きさを持つ豊かな島。 前1050年頃にアイオリス人が植民し、前7-6世紀に繁栄し、サッフォーやアルカイオスなどの有名詩人も輩出した文化的に優れた地でした。 レスボス島はコインの発行においても、その芸術的センスを炸裂させ、様々な面白い図像を生み出しました。 中でも特出しているのはだまし絵のコインです。 この銀...

続きを読む

7月(July)の語源、ユリウス・カエサルと太陽暦

いよいよ今年も半分が過ぎ7月となりました。 7月(July ラテン語ではJulius)の語源は、かの有名な古代ローマのユリウス・カエサル。 ユリウス・カエサルは前45年に古代ローマの暦を太陰暦から太陽暦に改暦した際に、自身の誕生月7月をJuliusと呼ぶことに決めました。 古代ローマでは建国当時、ロムルス王の時代、古代ギリシャ文明にならったロムルス暦と呼ばれる太陰太陽暦が使われていました。 ロムルス暦では1年は3月~1...

続きを読む

プロフィール

古代コイン専門ギャラリー Parisii パリシー

Author:古代コイン専門ギャラリー Parisii パリシー
ローマコイン・ケルトコイン・ギリシャコインを扱う古代コインギャラリーParisii パリシーの中村です。
古代コインを通して、日々、世界を探求しています。
パリシーのHPはコチラ