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記事一覧

古代ローマ、世紀祭の様子が刻まれたコイン

アウグストゥス帝の時代、前17年の、ちょうど今の時期5月31日~6月2日に世紀祭(ludi saeculares)という式典が開かれました。 世紀祭は1世紀の終わりと次の世紀の始まりを祝う祭で、演劇、供犠、歌の披露などが行われました。 このコインはドミティアヌス帝の88年の世紀祭を記念して発行されたもので、ウラ面には式典の様子が刻まれています。 世紀祭の様子がわかる、歴史史料としても大変貴重なコインです。 パテラを持って献酒す...

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ローマ、コロッセオのコイン

皆様にご好評いただきました企画展、「ローマコインで旅する古代ローマ遺跡展」。 いよいよ明日が最終日です! 展示品の中で、最も人気が高かった一枚はやはり、現在もローマにそびえ立ち、ローマの一大観光名所でもある、コロッセオが刻まれたセステルティウス銅貨でした。 コロッセオはウェスパシアヌス帝下に建設が始まり、このコインを発行したティトゥス帝の時に完成しました。 このコインはコロッセオの完成記念に発行された...

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363年5月29日、ユリアヌス帝のクテシフォンの戦い

ユリアヌス帝はコンスタンティヌス大帝の甥にあたる人物。 当時のローマ帝国の時流に逆らって、キリスト教ではなくローマの伝統宗教を復活させようとしたことから、「背教者ユリアヌス」の名で知られています。 ユリアヌスに一撃を与えたのは、ペルシア人ではなく、キリスト教徒であったという言い伝えも残っているほど、キリスト教から嫌われた 363年3月、ユリアヌスは帝国の東方国境に侵入してきたペルシアと戦うためにペルシア...

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世界最古のコイン、リディアの金貨に隠された皆既日食のシンボル

「本日から約2600年前、前585年5月28日に起きた、歴史を変えた皆既日食」 前6世紀初頭、アナトリア半島の支配権をめぐって、アナトリア西部のリディア王国と東部のメディア王国の間で長らく戦いが続いていましたが、 前585年5月28日の皆既日食によって戦いは終焉を迎えました。 歴史家ヘロドトス(約前485ー前420年)は 著書『歴史ヒストリア』の中で、 古代ギリシャの天文学者タレスがすでに予言していたこ...

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古代のおもしろ貨幣 葉っぱ?それとも、矢じり?

この黒い細長いブロンズは前5世紀頃に黒海・イストロスで鋳造された貨幣です。 その形から貨幣界では、植物の葉または矢じりを表しているとされています。 私としては、穀物(麦など)の粒に見えなくもないと思っているのですが、皆さまはどう思われますか。...

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古代ケルトのキュビズム

この古代フランス、ガリア・ウォルカエ・テクトサーゲス族の銀貨は本国フランスではキュビズムの顔のコインと呼ばれています。 オモテ面の多角形のような肖像は、ピカソの絵に通じるものを感じます。 このような表現力を持っていた古代フランス人にぜひ会ってみたいものです。...

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カピトリーノの丘のユピテル神殿のデナリウス銀貨

本日は現在会期中の企画展「ローマコインで旅する古代ローマ遺跡展」で展示中の一枚をご紹介。 この古代ローマ共和政期のデナリウス銀貨にはカピトリーノの丘にあったユピテル神殿が刻まれています。 神殿のぺディメント(上部三角の部分)にはユピテル神の雷挺がデザインされています。...

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古代の空想動物、ヒッポカムポス(海馬)のコイン

早くも夏の暑さを感じる季節になりました。 夏の暑さと言えば海! そこで本日は海の怪物ヒッポカムポス(海馬)のシチリア島、シラクサのブロンズ貨をご紹介。 ヒッポカムポスは馬の胴体に魚の尾を持った海の怪物です。 海の神ポセイドンがヒッポカムポスに乗った図像は古代ギリシャ世界の定番。 このコインのヒッポカムポスにはペガサスのように翼もついています。 ちなみに、人間の脳の部位、海馬(記憶につかさどる器官)は形がヒッ...

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古代ケルトコイン、走る人

この古代ケルト、ガリア・ベロウァキー族のブロンズ貨には走る人がデザインされています。 走る人のまわりには、星や円が配置されていることから、走る人は太陽を表しているのかもしれません。 コインの美しい緑色に合わせ、緑色の額とベージュのマットで額装しました。...

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5月22日はアレクサンダー大王、グラニコス川の戦いの日

前334年5月22日、マケドニアのアレクサンダー大王はグラニコス川(トルコ)の戦いでペルシア軍に勝利。この戦いを期に、小アジアの大部分がアレクサンダー大王に降伏しました。 このテトラドラクマ銀貨には、髪が風になびく、美しいアレクサンダー大王の肖像が刻まれています。...

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クリア・ユリアの青銅の扉

本日は現在会期中の企画展「ローマコインで旅する古代ローマ遺跡展」で展示中の一枚をご紹介。 このコインはオクタヴィアヌス(後のアウグストゥス)が発行したデナリウス銀貨でウラ面にはフォロ・ロマーノのクリア・ユリアが刻まれています。 現在フォロ・ロマーノにあるクリア・ユリアは3世紀に再建されたものです。コインの図像を見ると当時のクリア・ユリアにはベランダがあり、屋根には彫像が置かれていたことがわかります。 ク...

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5月20日は第1回ニカイア公会議の日

325年の5月20日、コンスタンティヌス帝はキリスト教の教義論争を解決するための初の公会議をニカイア(現在のトルコ・イズニク)で開きました。 当時、キリスト教徒たちの間で、教義をめぐって様々な解釈がなされ、論争に発展して行きました。 その中でもキリストの三位一体を否定したとされるアリウス派が台頭し、アナスタシウス派と対立していました。 コンスタンティヌスはキリスト教の分裂を避けるために会議を開き、アリ...

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ポンペイ噴火時の皇帝ティトゥスのコイン

先日、六本木ヒルズ・森アーツセンターギャラリーに「世界遺産 ポンペイの壁画展」を見に行ってきました。 ポンペイやエルコラーノ(ポンペイと同じくヴェスヴィオ山の噴火で被害にあった街)で発見された壁画を沢山見ることができ感激でした。古代ローマの赤を基調とした色彩感覚を体感できるのはポンペイの壁画ならではです。 特に感銘を受けたのは、やはりこの展示の目玉である「赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス」です。...

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知られざるカリギュラ帝のイケメンぶり

古代ローマ皇帝カリギュラと聞くと、エロス映画の巨匠ティント・ブラス監督の1980年の映画『カリギュラ』のイメージもあってか、現代では悪名高き非道な皇帝であったと認識されることが多いと思います。 実際、カリギュラに関して書かれた史料はなぜかカリギュラに対して批判的なものしか残っていません。 スエトニウスやカッシウス・ディオなどの後の歴史家によるカリギュラを狂人扱いしたエピソードは想像力が豊かすぎる話が多い...

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ゴルゴンのコイン、その3

このコインは前5世紀にトラキア・アポロニアで発行された銀貨。 こちらのゴルゴンは髪の毛が蛇になっていて、顔のまわりをぐるっと一周、蛇が並んでいます。 また昨日と一昨日にご紹介したゴルゴンとは違って、耳が二重の円で表されているのも特徴です。...

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ゴルゴンのコイン、その2

昨日につづいて、同じくミュシア・パリオンのゴルゴンのコインをご紹介。 こちらのコインは昨日のコインより1世紀ほど後に発行されたものです。 昨日のゴルゴンより、なんだかお茶目な表情をしています。 こちらのゴルゴンは頭の上に蛇がいますが、髪の毛が蛇となっているわけではなさそうです。 おなじ場所で発行されたコインで同じ主題の図像のコインでも時代によってデザインが変化していくのがおもしろいです。...

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ゴルゴンのコイン、その1

舌を出すゴルゴンのコインは、古代ギリシャコインの中で好きな図像の1つです。 ゴルゴンは髪が蛇で、目を見たものは石となってしまう怪物3姉妹。 このコインはミュシア・パリオンで前5世紀に発行された銀貨です。 このゴルゴンは耳が大きく、目はアーモンド形、口を大きく開け舌をベロンと出しています。 古代コインに刻まれたゴルゴンはなぜか必ずといっていいほど舌を出しています。 目と同様に舌にも特殊な魔力があったのでは...

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5月14日は古代ローマの宗教儀式、アルゲイの日

アルゲイは古代ローマで毎年5月14日または5月15日に行われた宗教儀式ですが、その実態は謎に包まれています。 アウグストゥスの時代にも行われていましたが、何のための儀式なのか当人たちもよくわからなかったようです。 わかっていることは神官や巫女が聖地に回って、そこで人形を回収し、それをローマのティべリウス川に投げ入れたということです。 これはあくまでも憶測にすぎませんが、このアルゲイは古代ローマのもっ...

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古代ケルトの詩的なデザイン ボートにのる2人

日に日に暑さを感じる季節となってきました。 こんな季節にはなんとなく川に涼みに行きたくなります。 そこで本日は皆さまにコインの図像で、ほんの少し涼んで頂くために、とっておきの古代ケルトのコインをご紹介します! このコインはガリア・モリニー族(英仏海峡沿岸地域にいた古代ケルト人)が約前1世紀に発行した金貨です。 オモテ面には木と川、ウラ面にはボートにのる2人がデザインされています。 コインのオモテとウラで...

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ローマ教皇ステファヌス1世即位の日

254年5月12日にステファヌス1世がローマ教皇に即位。 この時代のローマ皇帝はウァレリアヌスとガリエヌスの共同統治の時で、厳しいキリスト教迫害を行い、257年、他の聖職者と共にステファヌス1世は処刑されました。 このコインはステファヌス1世を処刑したガリエヌス帝の銀貨。この時代の銀貨は銀の含有量が2パーセント以下の事実上銅貨でした。 ゲルマン民族の脅威による、政治的・経済的混乱が貨幣の質からうかがえます。...

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5月11日はローマ帝国、新首都コンスタンティノポリス誕生の日

330年の5月11日にコンスタンティヌス帝はローマ帝国の首都をローマからコンスタンティノポリス(現在のトルコ・イスタンブール)に定めました。 ゲルマン民族の脅威から帝国を守るため、国境の近くに首都を定める必要があったからでした。 324年から建設を開始し330年に新首都ノウァ・ローマ(新しいローマ)を完成させ、5月11日に盛大な開都の式典が行われました。 このコインは新しい首都を記念して発行されたブロン...

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5月10日はこぶしで一撃の皇帝クラウディウス2世の誕生日

クラウディウス2世は214年5月10日にイリュリクムで生まれました。 クラウディウス2世の治世はゲルマン民族の侵入に悩まされた時代で、戦いに明け暮れた一生でした。 『皇帝列伝』(4世紀末頃に書かれたとされるハドリアヌス帝からヌメリアヌス帝の時代について書かれた伝記集)によれば、クラウディウス2世は元老院からも市民からもこれほどまで愛された皇帝はいなかったと、ヒーローとして記されています。 また『皇帝列伝』には、...

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古代ケルト人の首飾り、トルクのコイン

このゲルマニアで発行された銀貨のウラ面には変わった人物が刻まれています。 鳥のようなドレープの服を着た人物が手に持っているU字型の物はトルクといって、古代ケルト人が身に着けていた首飾りです。 トルクはケルトの神々や戦士が身に着けていた、宗教的な、そして権力を表す装飾品でした。 この人物はそのトルクを持って、どこへ行こうとしているのでしょうか。もしかすると古代ケルトの神官ドルイドなのかもしれません。...

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本日は「母の日」、古代ローマの偉大な母アントニアのコイン

本日は母の日なので、アントニアの肖像のブロンズ貨をご紹介。 アントニアはマルクス・アントニウスとオクタヴィア(初代皇帝アウグストゥスの姉)の娘で、後の皇帝クラウディウスの母親です。また悪名高きカリギュラの祖母でもあります。 アントニアはその美貌と人柄からローマの人々から愛されたとされています。 クラウディウス帝は母を称えるために、母の肖像のコインを発行しました。...

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古代ギリシャ、おもしろ図像のコイン

今日の一枚は、古代ギリシャ、フォキスのブロンズ貨。 コイン、オモテ面の図像は一瞬、花文様かと思いますが、よく見ると牛の頭が3つ、輪になって並んでいます。 牛の頭3つで、一つのデザインとなっているところが面白いです。...

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ローマに現存するトラヤヌスの記念柱のコイン

現在開催中の「ローマコインで旅する古代ローマ遺跡展」で展示中の一枚をご紹介。 このトラヤヌスのデナリウス銀貨には、ローマに現存するトラヤヌスの記念柱が刻まれています。柱の表面にはトラヤヌスのダキア戦争の様子が螺旋状に彫られています。 現在は写真のように柱の頭頂部にペテロの像が置かれていますが、最初はトラヤヌスの像が置かれていました。 現存されている実際の建物と、当時、発行されたコインに刻まれた図像を...

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本日は「こどもの日」、子供を抱くイシス神が刻まれたデナリウス銀貨

本日はこどもの日なので、子供を抱くイシスのコインをご紹介。 イシス神はエジプトの神で、息子ホルスを抱いた姿で母権を象徴するためにあらわされることがありました。 このコインのオモテ面の肖像のユリア・ドムナはセプティミウス・セウェルス帝の妻で、後の皇帝カラカラとゲタの母親です。 エジプトの有名な母神イシスの図像をかりて、自らの母権を象徴したかったのかもしれません。...

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本日は「みどりの日」なので、オリーブのコイン

本日はみどりの日にちなんで、オリーブの木が刻まれた古代ローマコインをご紹介。 このネロ帝のクアドランス銅貨には可愛らしいオリーブの木がデザインされています。 オリーブはアテナ神の象徴。 アテナ神はポセイドンとアテネの支配権を争い、どちらが市民に役立つ贈り物をするかを競いました。 ポセイドンは塩水の泉もしくは戦に役立つ馬を、アテナは実とオリーブオイルの採れるオリーブの木をおくりました。 アテネの人々はア...

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ロードス島のバラのコイン

今、バラの季節真っ盛りで、お店の近くの芝公園でも綺麗なバラがたくさん見られます。先日、横から見たバラの花のドラクマ銀貨をご紹介しましたので、本日は真上から見たバラの花が刻まれたロードス島のコインをご紹介。 ロードス島のロードスはギリシャ語でバラの意です。バラの島という名前だけあって、ロードス島のコインのほとんどがバラが刻まれています。...

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ユダヤ戦争、マサダ陥落の日

73年5月2日に最後の砦マサダ陥落で66年から続いたユダヤ人の反乱に終止符が打たれました。 ウェスパシアヌスは70年に息子ティトゥスをエルサレム陥落のため、エルサレムに送り、エルサレムは炎に包まれ陥落。 この時の戦績が現在もフォロ・ロマーノに残る、ティトスの凱旋門に刻まれています。 また、ティトスはユダヤ戦争時にユダヤ王家のベレニケと恋に落ち、後に皇后にしようとしましたが、ローマ市民の手前、妻にすることはで...

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プロフィール

古代コイン専門ギャラリー Parisii パリシー

Author:古代コイン専門ギャラリー Parisii パリシー
ローマコイン・ケルトコイン・ギリシャコインを扱う古代コインギャラリーParisii パリシーの中村です。
古代コインを通して、日々、世界を探求しています。
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